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uokadaの見逃し三振は嫌いです

ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私が所属する組織には一切の関係はありません。

夭折の作家、伊藤計劃最後の作品 - 屍者の帝国


屍者の帝国 劇場アニメ化発表 PV - YouTube

夭折の作家伊藤計劃。
彼は序文だけを残してこの世を去った。

物語は、盟友、円城塔によって書き継がれることを望んだ。

物語、それは死してなおこの世界にあり続ける技術。

「屍者の帝国」2015年劇場アニメ化。
プロジェクトは止まらない。

伊藤計劃が序文だけを残した屍者の帝国を読んだ。
ここ数ヶ月で今年映画化予定の3部作全部読んだけどその中でいちばんこの作品が気に入っている。


舞台は100年前のロンドン。そこは屍者が馬車を引くのが日常の風景の一部となった世界。 主人公は医学生のジョン・ワトソン。彼は不意に教授から呼び出しを受け、ある政府の諜報機関入ることとなる。

そこで彼がついた任務は「屍者の王国」についての調査だった。 「屍者の王国」に関する謎を追いかけロシア、維新直後の明治政府と世界を旅しながらそこで待ち受ける数々の思惑、策略の末に何を見つけるのか。


自分がここ一年と少しで読んだSF作品の中では一番物語の世界に引き込まれた。
たいがい、頭のなかで世界観が作れないまま読み進めてしまい物語の最後の伏線の回収に入ってもそんなエピソードあったか?という状態になるぐらいに世界観に入り込めないぐらい本離れしていて特にSF離れが進んでいたため大体どの作品を読んでも同じような感じになっていた。

ただ、この作品は舞台が100年前のロンドンと比較的馴染みやすい舞台が用意してあり、
登場人物も頭のなかで描きやすい描写が各所にありずいぶんと読みやすい印象があった。

たいていの作家の遺作はそこで終焉を迎えストーリーは完結せずに終わるがこの作品が共作という形で終わったことはとても珍しいのではないだろうか。
円城塔によって共作として完結した「屍者の帝国」だがもし、この作品が序文だけでなくすべて伊藤計劃の手によって完結されていたのならどのようなストーリーになっていたのか何を伝えたかったのかとても興味を惹かれる。